前立腺がんステージⅣと診断された父|PSA値・治療(ホルモン療法)・副作用の記録

病気の記録


がんのステージや詳しい病状説明の日、
私は病院には行きませんでした。
検査結果を聞きに行くのは、父と母の二人。

母は「これは私たちの仕事だから」と言って、
私には来なくて大丈夫だと言いました。

長い午後が過ぎて行き、夕方遅くに母から連絡がありました。
私はすぐにメモを取ったのを覚えています。

今回の記事では、医師から受けた説明をもとに、
・主治医からの説明 前立腺がんステージⅣとは
・PSA値とは
・父が受けている治療(ホルモン療法)
・父の副作用について
 を記事にまとめます。

※この記事はあくまで父のケースをや受けた説明をもとに書いています。
 同じ前立腺がんでも、状況や治療方針は人それぞれであることを前提に
 読んでいただければと思います。

主治医からの説明

母から聞いた説明は、こういう内容でした。

・結論から言うと転移がありました
・骨とリンパ節です
・骨の転移の箇所は多いです
・ステージは4です

ただ、先生曰く
「他の主となる臓器への転移は、今のところ見られません」
「完治は難しいですが、治療はあります。治療しながら付き合っていきましょう」
と言ってくださったとのこと。

そしてその日から、父の治療が始まりました。

「ステージⅣ」という言葉のダメージ

ステージⅣ、その言葉を聞いた瞬間、
頭の中で「末期」という言葉が浮かびました。

がんのステージはⅠから始まって初期、
そしてⅣまでしかありません。

正直に言うと、
「あとどれくらい生きられるんだろう」と考えてしまいました。

でもそのあとの医師からの説明をもとに
総合的に理解していくと、

ステージⅣ=末期ではなく、さまざまな状態があることを知りました。

まず、前立腺がんのステージⅣの定義は、
がんが前立腺の外へ広がった状態、あるいは
前立腺から離れた箇所への転移(これを遠隔転移といいます)
が認められる状態を指します。

父の場合は
・原発の前立腺がんが精嚢へ浸潤(T3b)
・リンパ節転移あり(N1)
・骨転移 (骨盤、胸椎)あり (M1)

前立腺がんのステージⅣはひとつの状態ではなく、
転移の場所や広がりによってさまざまなケースがあるのです。

PSA値とは

PSAは前立腺特異抗原というタンパク質で、
前立腺がんの診断や治療経過を見るための重要な指標です。

血液検査で手軽にわかることもあり、
前立腺がん疑いのときも最初にされる検査でした。

そして治療(ホルモン療法)が始まった後も、
定期受診のたびに必ずこの値を調べ、薬の効果が出ているのかを調べています。

いわゆる治療の道筋を決めるための重要な、羅針盤的な検査
だと私は認識しています。

※父のPSA遷移については別記事でまとめます。

 グリソンスコアとは

生検でとったがん細胞を顕微鏡で調べ、
がんの悪性度を評価する指標です。

2〜10点で算出されます。
父のがんは悪性度が高く、スコアは9という説明がありました。

治療方針

下記は、主治医の説明です。

がんが前立腺の中に限局されている場合は、手術などの外科的手段で取り除き、
完全に治す「根治」を目指すことが出来る。
でも、父のがんはリンパ節や骨への転移がみられるため根治は難しい。

それでも、近年は良いお薬が開発されているので
それが父のがんにも効果があれば、
何か月か何年かは人それぞれだが、
がんの進行を遅らせて共存していく時間ができる。

副作用や腎臓肝臓などへの負担も人それぞれなので
注意深く経過を観察しながら、通院で治療を続けていきましょう。

というものでした。

ホルモン療法

前立腺がん細胞は、男性ホルモン(アンドロゲン)をエサにして増えます。
なので、男性ホルモンが出ないように抑制するのがホルモン療法です。

父の主治医が始めたのは、CAB療法といい、
アンドロゲンを2種類の薬を使って強力にブロックする治療法です。

実際に父の治療に使われているのは
リュープリン注射とアーリーダ錠です。

リュープリン注射

LHーRHアゴニスト薬
脳に働きかけて男性ホルモンの分泌を抑える薬です。
つまり、注射で精巣摘出術と同じような効果が得られることになる、と説明がありました。

父の場合は、
 ・ 最初は2週間後
 ・ 次は1か月後
 ・ 3か月後
 ・ 6ヶ月おき
と、様子観察をしながら徐々に投与期間が空いていきました。
現在は6ヶ月おきに接種しています。

※精巣だけでなく副腎からも5〜10%のアンドロゲンが分泌されているため、
さらに抗アンドロゲン薬で、アンドロゲンの働きをブロックする必要もあるのです。

アーリーダ(アパルタミド)

抗アンドロゲン薬。
がん細胞が男性ホルモンを受け取る副腎からの部分(受容体)をブロックし、
残りの男性ホルモンも利用できないようにする仕組みだそうです。

比較的新しい薬(2019年〜)で、1ヶ月の薬代は3割負担で
7〜8万円ほどかかりますが、高額療養費制度の対象となります。
1日1回4錠ですが、錠剤が大きく、父は集中して飲んでいます。
また、誤飲防止の独特なパッケージも特徴的です。
2020年から遠隔転移のある去勢感受性前立腺がんも適用追加になっています。

※去勢感受性前立腺がん
ホルモン療法に対して治療効果の見られている(男性ホルモンを抑制し
「去勢状態」にできていることで抑えられている)がんのことを指します。

薬の副作用 父の場合

・倦怠感
 気づくとベッドで寝てしまう生活(筋力低下、体力低下にもつながる)

・息苦しさ
 服薬後に出ることが多く、仕事中ハアハアと強く息を吸い込まないと
 苦しいほどだった。
 この副作用が辛く一旦は数日間休薬するほどだったが、
 その後主治医と相談し服薬時間を就寝前に設定して、
 なんとか副作用の強い時間をやり過ごし、服薬継続。

・発汗、ほてり
 手からずっと手ぬぐいを離せないような生活。自宅では上半身は肌着一枚がデフォルト。
 お風呂上がりは上半身はしばらく何も着られない暑さとのこと。

・足先が冷えていて、夜中や明け方に足がつる

・体重増加
 元々少し血糖が高め、ぽっちゃり体型だったが、体重も増えやすくなった。

・筋力低下
 ホルモン療法の影響で筋肉が落ちやすい。

・骨密度減少
 ホルモン療法で男性ホルモンが維持していた骨の強度が減少しやすい。

・血液検査で度々指摘事項あり
 血糖や肝臓(ALP)、心臓(BNP)の数値が上がったりなど。
 心臓のかかりつけで精密検査を受けたり、
 経過観察の範疇内でなんとか投薬が継続できている。

ホルモン療法が始まり、
PSA値は大きく下がりました。

PSA値の低下は父のがんにホルモン療法の効果があり、
がんの抑制に成功している状態を指します。

ですがその一方で、
副作用の辛さから横になりがちな父の生活の質が気がかりです。

次回の記事では
がんが見つかった頃の父の体調や病気の兆候についてまとめていきます。

前立腺がん診断までの体験談 【前編】【後編

副作用とサルコペニア(筋力低下)の体験記事はこちら

この記事を書いた人

社会福祉士資格を保有。

高齢者分野の相談員として勤務しながら
制度や支援の現場に関わっています。

家族の病気体験を中心に、
当事者としての経験と、支援職としての視点の両方から
わかりやすく情報をお届けします。

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