前立腺がん疑いから確定診断まで|父の検査の流れと3ヶ月の記録【後編】

病気の記録

前編では、父が前立腺がんを疑われてから
MRI検査、生検検査を受けるまでの流れを書きました。

しかし、検査を受けたからといって
すぐにすべてが分かるわけではありませんでした。

検査はまだ続きます。

そしてこのあと、

父のがんはステージⅣと診断されます。

前立腺がんの診断

4月27日

生検の結果、
父は前立腺がんと診断されました。

診断が出たことで、
泌尿器科の主治医がつきました。

ただ、この時点では
まだ進行度(ステージ)はわかりません

つまりまだ、治療は開始できないのです。

がんがどこまで広がっているかを調べるため、
さらに検査が続きます。

これまでだけでも数々の検査をしてきているので
現状検査でわかっていることだけでも
教えて欲しいところなのですが、

すべての検査結果がそろい、
確定診断の場でないと
病状の詳細は説明できない方針
のようでした。

生検でとった組織をよく調べ、
がんの顔つき(悪性度)を
グリソンスコアという点数にします。

それも後日ステージとともにご説明します、
とのことでした。

もちろん頭では説明は理解できたのですが、

正直なところ、

まだ検査が続くのか、

まだ詳しいことは何も教えてもらえないのか、

まだ何も治療が始められないのか、

と、この頃が一番気持ちが苦しい時期でした。

CT検査

5月1日

次に行われたのは造影CT検査です。

CTは体の断面を撮影する検査です。

造影剤の副作用が出ないか慎重に管理しながら、

臓器やリンパ節への転移がないかを確認します。

骨シンチグラフィー

5月11日

次の検査は、
骨シンチグラフィーという検査でした。

これは、がんが骨に転移していないかを調べる検査です。

前立腺がんは、進行すると
骨に転移しやすい特徴があるためです。

体内に微量の放射性物質を注射し、
骨の状態を画像で確認します。

検査名を初めて聞いたとき、
正直、私は何の検査なのかもわかりませんでした。

ステージⅣの診断

5月16日

ついに診断が出ました。

父の前立腺がんは
ステージⅣでした。

医師から説明された内容はこうでした。

 • 血液検査のPSAが異常高値

 • グリソンスコア(生検で採取したがんの顔つきを調べる検査)は高く、悪性度が高いがんである
   
 • 精嚢の一部にがんが浸潤している

 • 胸椎・骨盤など複数の骨へ転移している

 • リンパ節への転移がある

 • 臓器転移はなし

いろいろな状況を想定はしていましたが、
ショックの大きい診断内容でした。

治療方針

父の治療は

ホルモン療法になりました。

前立腺がんは、男性ホルモンによって増殖する性質があるため、
その働きを抑える治療です。

治療内容は次の通りでした。

アーリーダ(内服薬)開始

リュープリン注射 開始
  2週間後、1ヶ月後、
  その後は3ヶ月、6ヶ月と期間を空けていく

・定期的に血液検査をしながらPSA値をチェックし効果検証していく

そして医師からこう説明されました。

副作用と折り合いをつけながら治療を続け、
入院ではなく在宅で通院しながら生活していきましょう。

つまり父は

「通常の生活を送りながら治療を続ける」
ことになりました。

※詳しい治療や副作用については
別記事で体験談をまとめる予定です。

診断までにかかった時間

父の場合
最初に違和感を感じて受診してから
「がんかもしれない」と言われるまで

約1ヶ月

確定診断までは

3ヶ月と8日

かかりました。

そして

がんを前提とした検査が始まってから
ステージが確定するまででも

実に48日 

要しています。

この時間は、治療方針も決まらず
何かしようにも、何もできない時間
なのです。

患者本人にとっても、
家族にとっても、
不安に飲み込まれそうな
長い長いトンネルなのです

前立腺がんは情報が少ないと感じた

同じホルモン療法が有効ながんとして
前立腺がんと比較されることも多い
乳がんでは、

がんサバイバーリハビリ会などのコミュニティ、
情報共有の場が多い印象があります。

一方で前立腺がんは

• 患者コミュニティ
• 家族の体験談

を見つけるのが
思ったより難しいと感じました。

とくに父は地方在住だったため、
地域で患者同士がつながる場はほとんどありませんでした

前立腺がんは「共存するがん」と言われることがある

前立腺がんは、多くの場合
発症から何十年もかけてゆっくり進行するがんと言われています。

もちろん
• ステージ
• 転移の有無
• 年齢
• 他の病気
によって状況は大きく変わります。

ただ、多くのがんの中では
比較的生存率が高いがんとされています。

生存率が高いということは、

前立腺がんと共存しながら生きている人が多い
ということではないでしょうか。

しかも
男性で最も患者数の多いがんの一つであり

その患者数はここ40年間で40倍にも増加した、という報告もあるのです。
(検査が普及しあきらかになる人が増えてきたこともありますが。)

この体験を書こうと思った理由

長いトンネルのさなか、私は
X(旧Twitter)で

「父が前立腺がんです」
という投稿を見つけました。

顔も知らない方でしたが、
診断を受けた後も、治療をしながら
何年も元気に生活している様子が綴られていて、
その方からどんなに希望をもらえたか分かりません。

今もし同じ状況で
• 検査結果を待っている人
• 家族ががんの疑いと言われた人
がいたら、

私の記事がほんの少しでも参考になるかもしれない、
そう思いました。

最後に

がんの診断までの時間は、
想像以上に長く感じるものでした。

そしてその間、
情報が少なくて不安になることも多いです。

でも
同じ経験をした人の言葉が
どこかで誰かを救うこともある。

私はそう信じています。


前編の記事はこちら

「確定診断の日に医師から受けた説明や、父の治療方針について」の記事はこちら

診断を受けた頃の父の不調のサインをまとめた記事はこちら

この記事を書いた人

社会福祉士資格を保有。

高齢者分野の相談員として勤務しながら
制度や支援の現場に関わっています。

家族の病気体験を中心に、
当事者としての経験と、支援職としての視点の両方から
わかりやすく情報をお届けします。

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