在宅はケアマネで9割決まる|後悔しない選び方と「介護の軸」の作り方

制度解説

予期せぬ介護が始まったとき。
多くの家族はこう言います。

「とりあえず、お任せでお願いします」
——でも実は、それが一番危ういスタートです。

同じ年齢、同じ病気、同じ介護度でも
自動的に“最適な介護プラン”が出来上がることはありません。


なぜなら
• 人生も
• 価値観も
• 家族関係も
すべて違うからです。

この記事では、訪問介護の現場でサービス提供責任者として、ケアの調整やご家族対応に関わってきた経験と、特養や高齢者施設で相談職をしてきた視点から、

私がケアマネ選びで大切だと感じることを記事にまとめます。

結論|在宅介護は「ケアマネで9割決まる」

少し強い言い方ですが、現場感としてこれは事実です。
在宅介護の質は、ケアマネジャーで大きく変わります。

• どんなサービスを使うか
• どの事業所と組むか
• どこまで支援を引き出せるか

これらは すべてケアマネの力量と姿勢に左右されます

医療は任せるもの、介護は自分で選ぶもの

ここがとても重要です。

医療は、専門家に任せる場面が多いですが
介護は「生活」そのものです。

• どこまで家族が担うのか
• どんな生活を維持したいのか
• 何を優先するのか

主体は「家族と本人」にあります。

ケアマネジャーは「自分で選ぶ」もの

認定を初めて受ける方の多くが知らないことなのですが、実は、居宅介護支援事業所(ケアマネジャーの事業所)は自分で選んでいいことになっています。

でも実際は、

• どこがいいかわからない
• とりあえず近いところ
• もらったリストはあいうえお順で電話
こういう決め方、とても多いです

私の考える良いケアマネジャーの見分け方3つのポイント

• 話を最後まで聞いてくれる(こちらの意向を汲み取ってくれるか)

• 複数の提案がある(メリット・デメリット両方を説明してくれるか)

• レスポンスが早い(困った時に頼りになるか)

自分でケアマネを決められない場合はもちろん地域包括支援センターが紹介してくれます。

契約締結前にケアマネの事前面談ができますので、強くおすすめします。

「なんとなくいい人」ではなく
“一緒に考えてくれる人“であること。

これは長く関わる上で大切です。

納得のいく介護に必要なのは、家族の「軸」


「何をどう頼めばいいかわからない」
——これは当然です。

知識も時間もない中で、具体的な要望を出すのは難しい。

だからこそ必要なのが

“介護の軸”です

ご本人・ご家族で「どんな生活を大切にしたいか」を自由に挙げてみてください。

• 自費はできるだけ使わない
• 家族が仕事を辞めないことを優先する
• お風呂の時間だけは絶対に守りたい
• ペットと暮らし続けたい
• 家には同じ人に来てほしい
• 出かけて人との関わりを増やしたい

この軸に正解はありません。

ケアマネジャーはプランを立てる専門職ですが、
ご本人やご家族にとっての幸福を一番知っているのは、他ならぬご家族自身です

本来はケアマネジャーが、生活歴、人生観を深くヒアリングして、
寄り添ったプランを組み立てるべきですが、
正直、ケアマネジャーを取り巻く多忙さを考えると厳しいのが現実です。

でも、こちらから『軸』🟰「どう生きたいか」を提示することで
結果的にケアマネを助け、良いプランを引き出す近道になります。

ケアマネは変更していい

ケアマネジャーは変更できます。

こんなときは検討してOK
• 合わないと感じる
• 連絡がつきにくい
• 提案が少ない
• 話を聞いてもらえない

交代はわがままではありません。 我慢する必要はありません

ケアマネを変えて状況が良くなるケースは多いですし、
実際、私の祖母もケアマネジャーを交代したことがあります。

祖母の最初のケアマネジャーは、連絡がつきづらく、調整や返答を忘れてしまうことが度重なったため、このまま信頼関係を構築できないと判断して交代を願い出ました。

母は最初は言い出しにくかったようですが、
相手の事業所は介護のプロ。

ケアマネは慈善事業でも友達でもなく、仕事で携わっている人です。

「人間同士なので合う合わないは当たり前です。また次のケアマネジャーについても、何でも言ってください。」と、拍子抜けするほど快く交代を手配してくれたそうです。(※あくまで一例です)

変更は、ケアマネ本人に言わないといけないのか?

答えはNOです。

事業所に電話して別のケアマネにしてもらっても良いですが、
気まずい時は事業所ごと変更しても大丈夫。

その時は、

・地域包括支援センター(総合窓口です。希望を伝えて紹介を受けることもできます。)

・別の居宅介護支援事業所(ケアマネの事務所)

上記事務所が変更の旨の連絡を代行してくれます
自分で断りの連絡を入れなくて済むのもストレス軽減に良いですね。

待つのではなく、こちらから一歩踏み出すことが、良い縁を引き寄せるコツです。
地域包括は多忙ですが、積極的に電話する、面談の予約をとる、などのアクションを起こすのがおすすめです。

まとめ

在宅介護は「流れに任せるもの」ではありません。

• ケアマネは選べる

• 合わなければ変えられる

• 介護には“軸”が必要

遠慮してしまう気持ち、よくわかります。
 • こんなこと言っていいのか
 • わがままじゃないかな

でも実際には、
伝えた分だけ、状況は良くなることが多いです。

まずはなんでもいいので
生活で大切にしていることを書き出してみてください。

• 「仕事は辞めたくない」
• 「お風呂が好き」
• 「猫と暮らし続けたい」

この記事が、その人らしい、その家族らしい生活を守るきっかけになればうれしいです。

次回は「施設入所のタイミングと考え方」についてまとめます
 • 在宅はどこまで続けるべきか
 • 施設に入る前の準備期間など

この記事を書いた人

社会福祉士資格を保有。

高齢者分野の相談員として勤務しながら
制度や支援の現場に関わっています。

家族の病気体験を中心に、
当事者としての経験と、支援職としての視点の両方から
わかりやすく情報をお届けします。

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