心筋梗塞で緊急入院| 家族が知っておきたい高額療養費制度と限度額認定証の申請方法

制度解説

はじめに

突然の連絡でした。
「父が心筋梗塞で緊急手術になった。」
(当時、まだ60代前半でした。)

新幹線で病院に向かい、待合室で母と合流しました。

突然の入院で心配だったのは、命のことだけではありません。
医療費はいくらかかるのか。支払いはどうなるのか。

この記事では、家族やパートナーが心筋梗塞で突然入院したときに知っておきたい
「医療費の制度」についてまとめています。

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、1か月(1日〜月末まで)にかかった医療費の自己負担額が
一定の上限を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。

医療費には年齢や所得に応じて「自己負担限度額」が定められています。
そのため、思っていたよりも高額な請求になった場合でも、最終的な負担には上限があります。

たとえば会社員など70歳未満の場合、年収区分によって上限額が変わります。
(※正確な金額は加入している健康保険組合や協会けんぽの区分をご確認ください。)

突然の入院で不安になるのは当然ですが、「上限がある」という事実を知るだけでも、
気持ちは少し落ち着くのではないでしょうか。

限度額認定証とは

高額療養費制度は、あとから申請して払い戻しを受けることもできますが、
事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、
窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。

つまり、一時的に大きな金額を立て替えなくてよい、という仕組みです。

申請先は、加入している健康保険によって異なります。

会社員の方:健康保険組合または協会けんぽ
自営業の方:お住まいの市区町村(国民健康保険)

入院が決まった段階で申請できる場合もあります。
突然の入院で余裕がないときは、ご家族が手続きを行えるかどうかも、あわせて確認してみてください。

また、マイナ保険証を利用している場合は、医療機関でのオンライン資格確認により、限度額適用認定証の提示が不要になるケースもあります。

大きな請求額を目の前にしなくて済むだけでも、気持ちは少し落ち着きますよね。
なお、手続きや適用の可否については、入院先の病院の会計窓口に確認するのがもっとも確実です。

自己負担限度額の目安(70歳未満の場合)

高額療養費制度では、年齢や所得に応じて1ヶ月の負担上限額が決まっています。

年収の目安自己負担限度額(月額)
約370万円〜770万円約8〜9万円+(総医療費-26万7千円)×1%
住民税非課税世帯約3万5千円

※多数回該当や細かい区分は省略しています。
※正確な区分・金額は、加入している健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の窓口でご確認ください。
※最新情報は厚生労働省および各保険者の公式サイトをご参照ください。


入院や手術があっても、医療費が青天井に膨らむわけではありません。
「上限がある」と知るだけで、見通しは少し立ちやすくなります。

※申請方法は別記事で詳しく解説いたします。

実際感じたこと

実際に経験して感じたこと


父が受けた冠動脈バイパス手術は、本来であれば約300万円かかる高額な治療でした。
3割負担でも自己負担は約100万円になります。


けれど、高額療養費制度を利用したことで、当時現役世代だった父の所得区分でも自己負担はおよそ数十万円に抑えられました。

もちろん決して安い金額ではありません。
それでも、命を救っていただいた治療の対価としては、正直なところ「ありがたい」と思える金額でした。


日本の医療制度の手厚さを、身をもって実感した出来事でした。

付き添う家族として思ったこと


手術を待つ時間も、終わった直後も、不安でたまりませんでした。
予後について何度も検索し、情報に触れるたびに心が揺れました。


医療にはさまざまなケースがあります。
「うちは大丈夫だったから、きっと大丈夫」と軽く言えるものではありません。


ただ一つ感じたのは、
付き添う家族もまた、心身ともに大きな負担を抱えているということです。


もし今、同じように検索を重ねている方がいるなら、
どうか少しだけスマートフォンを置いて、休息をとってください。


これからの生活を支えていくためにも、
まずはご自身の体と心をいたわってほしい。


そんな思いも込めて、この記事を書いています。

まとめ

高額療養費制度を知ることが、安心につながる


突然の入院や手術は、心にも家計にも大きな不安をもたらします。
けれど、日本には高額療養費制度という仕組みがあります。


医療費には上限があり、
限度額認定証を活用すれば窓口での負担も抑えられます。


実際に私たち家族も、この制度に助けられました。


不安なときほど、まずは
「いくらまでなのか」を確認してみてください。


加入している健康保険の窓口に問い合わせること。
それが、安心への第一歩になります。


制度を知ることは、
これからの生活を守る力になるはずです。

この記事を書いた人

社会福祉士資格を保有。

高齢者分野の相談員として勤務しながら
制度や支援の現場に関わっています。

家族の病気体験を中心に、
当事者としての経験と、支援職としての視点の両方から
わかりやすく情報をお届けします。

いのりをフォローする
制度解説
シェアする
いのりをフォローする
タイトルとURLをコピーしました